人工関節

最新医療MIS

MIS(エム・アイ・エス)とは?

M inimally I nvasive S olutions の略
最小の侵襲による人工関節置換術

人工関節を行う事で、痛みを取り除く(または大きくやわらげる)ことが期待されます。 しかし、人工関節をおこなうためには、関節を切開する必要があります。従来は20cm程度の切開が必要であり、術後はこの傷の回復のために平均4~6週の入院期間が必要でした。また術後安静にともない筋力や体力が低下することも大きな問題です。

MIS手術は切開を最小にし、かつ疼痛管理、早期リハビリを積極的に行うことで、手術に伴う身体機能の低下を最小限にするための治療方法です。 当施設は、医師、看護師、理学療法士など、患者さんに関わる全てのスタッフが医療チームを組んで最小侵襲かつ良質な医療を提供することを目指します。

最小侵襲手術-MIS(エム・アイ・エス)について

外科手術では傷のない部分にメスをいれ、病巣を展開して処置を行います。 人工膝関節置換術では同様に膝の前方部分の皮膚を切開して関節を展開して、骨を削るなどの処置を行います。それによって身体は手術のダメージ(侵襲)を受けます。これは手術のマイナス部分です。 一方、その手術によって得られた効果(人工膝関節置換術においては日常生活での痛みの軽快)は手術のプラス部分です。このプラス部分がマイナス部分を上回った場合に人工膝関節置換術を受けて良かったと思えるのです。

MISは人工膝関節置換術のマイナス部分を減らすことによって 差し引きでプラス部分を大きく残すことによって 患者さんの満足度を上げることを目的とするものなのです。MISは人工膝関節置換術の術後の痛みを軽くすることにより、リハビリが円滑に進み、より早い回復が得られることが期待されます。

しかし、MISで注意しなければならないことは 人工膝関節置換術においては皮膚切開の大きさだけが大事ではない、と言うことです。皮膚の切開が小さくても先に述べましたように術前の計画通りの正確な手術がなされなければ意味はありません。 皮膚の切開、関節の展開が小さいと正確な角度で骨を削ることや温存すべき軟部組織(靭帯や関節包など)に対する適切な処置が困難となります。これらがおろそかになると人工膝関節置換術の予後にも影響します。

私たちは人工膝関節置換術においてもっとも重要なことは正確な角度で骨を削ることと、残すべき軟部組織に対する適切な処置であると考えています。これを踏まえたうえでのMISでなければ意味がありません。