膝の靭帯
膝靭帯は、図のように主に4つの靭帯や内・外側半月板で関節を安定させています。
とくに膝の前十字靱帯(ACL)と後十字靱帯(PCL)は、図のように膝を前後に安定させています。
(回旋の制動にも重要です)
前十字靱帯(ACL)
とても重要な靭帯で、すねの骨が前方にはずれないようにしています。
後十字靱帯(PCL)
膝の中で一番太い靭帯です。すねの骨が後方にはずれないようにしています。
どちらも大切な靭帯で、他の靭帯、組織と連携して膝を安定させています。
このページのトップへ膝の靱帯損傷
まずスポーツ外傷において、受傷機転に以下のような分け方があります。
- 非接触型(noncontact-type)
- スポーツ活動などの、ストップ、方向転換、ジャンプ、カッティング動作などにおいてバランスを崩したり、転倒したりなどして発生
- 接触型(contact-type)
- 相手と接触(ラグビー、フットボール、柔道等)
前十字靱帯(ACL)損傷は
外傷性膝関節血症(膝のケガで関節に血がたまる)の実に70~80%が前十字靱帯損傷と言われています。非接触型が多くとても多いケガです。
後十字靱帯(PCL)損傷は
ほとんどが接触型です
診断方法
- 後十字靱帯損傷のMRI像
- 前十字靭帯が断裂している様子
これを放置すると・・・
2~3週で腫れや痛みが軽快し、歩行や日常生活は可能となりますが、活動レベルが上がる(スポーツなど)と膝の不安定感を自覚し、再受傷を繰り返すことが多いです。
- 正常な関節
- 前十字靭帯損傷を
治療していなかった関節
右の症例は、不安定な関節を長年放置していた為、再受傷を繰り返し関節のすり減りや変形が生じてしまっています。
この方はまだ30才前ですが、既に変形性膝関節症になってしまっています。これは前十字靱帯損傷を放置していたことが原因と考えられます。