患者さんの声

患者さんの声

実際に手術を受けられた患者さんからお手紙を頂きました。
執刀医:大越院長/術後リハビリ:当クリニック理学療法士

患者さんは、現役の整形外科医の先生です。

後十字靱帯(PCL)再建術を経験した一整形外科医として、そして一スポーツ選手として、ケガ~手術、術後のスポーツ復帰に至るまでを率直に語っていただきました。

後十字靱帯(PCL)は、膝の中にある最強、最大の靭帯です。 このケガはコンタクト・スポーツ(ラグビー、柔道など)や交通事故などで、脛の骨を強打することにより受傷する事が多いケガです。 治療は保存療法が第1選択となりますが、完全断裂であり関節の不安定性や合併症の有無などによっては再建手術が必要になることもあります。

今回、患者さんはスキー中にPCL損傷を受傷され、 その後一度はスポーツ活動に復帰したものの、膝の痛みの出現により満足なスポーツ活動が困難となり、PCLを再建する決心をされました。

手術を決断した理由

今から10年前の2月、医者3年目、麻酔科入局1年目の駆け出しだった僕は、多忙な業務の傍ら、大好きなスキーを、仕事の合間をぬっては週末にいそいそとスキー場に出かけて滑ってくるような毎日を過ごしていました。

2月も中旬、札幌近郊某スキー場のK壁コース。へたくそなくせに、モーグルにあこがれて練習していたコースで、その日は仕事の疲れもあったので、早めに切り上げようとちょっと集中力を欠いた最後の一本。最後一本だけ滑って帰ろうと思っていたその一本が・・・。転倒して木に激突!そのシーズンに買ったばかりのスキー板が惜しくて、思わず板をかばったために、立ち木に膝から激突してしまいました! 後十字靭帯断裂、厳しい現実を突きつけられました。スキーの板を犠牲にしていればこんな思いをしなくてすんだのに・・・、もっと上手ならぶつからなかったのに・・・など様々な思いが駆け巡りました。

当時の後十字靭帯の治療は、手術治療がほぼ確立している前十字靱帯とは異なり、手術はしないで固定やサポーターによる保存治療が一般的で、大越先生や一部の先生が試行錯誤しながら手術をしていた時期でもあり、手術治療は自分の中では全く考えられませんでした。 幸い靭帯断裂自体は痛みもなく症状はほとんど自覚しないのですが、ただ、怪我した膝でスポーツ復帰できるのかどうかしばらくは不安で、状態を自分で受け入れるまで半年はかかったと思います。

次のスキーシーズンは、怖さがあり、また仕事も忙しかったこともあって、ほとんど滑らずにすごし、夏から少しずつ野球や筋トレなどを再開していきました。すると、スポーツしても意外に症状は無く、その年の冬、怪我をして2シーズンぶりにスキーを再開したところ、技術的にはさておき痛みもなく結構滑れました。 その後は、冬のスキーをはじめ、アイスホッケー、夏は野球、バスケなどなど、不自由なく存分にスポーツを楽しみました。この間、麻酔科から整形外科に移るなど身辺環境の変化があったり、転勤があったり、そんなこんなで7年間膝はほぼ放置して、もちろんフルにスポーツをして過ごしていました。

そして怪我をして7シーズン目のスキーシーズン、モーグルも少しづつ上達して面白くて仕様がない頃、滑走中に痛くて滑れない症状がはじめて出てきました。整形外科に転科して5年、整形外科の知識も少しありましたので、さすがにこのときは不安でした。軟骨損傷、半月板断裂、いろいろな思いが駆け巡りまして、真剣に手術を考えたのもこの時期でした。

次のページへ
このページのトップへ